壊れかけの少女

まだ、少女を名乗らせてください……。

おとうさん

日曜日は父の日でしたね。

父の日って、母の日に比べて圧倒的に存在感薄くね?

母の日といえば、カーネーション!って繋がるものがあるけど

父の日って……なんかある?

雑貨屋バイターの私からしても、母の日と父の日では混み具合、プレゼントを買う割合が全然違うなあと感じるくらいには温度差があるように思います。


そんな私には父がいません。

まあ最近、といってももう1年経ちますが私にもいたんです。父は。

私が20歳の誕生日を迎える3ヶ月前に息を引き取りました。

まあ、病死だったんですけどね。


とにかく昔から父に厳しい私でして!

それでこそ父の日、父の誕生日でさえろくに祝ったり何かあげたりすることさえあまりなかったですね。

いつも冷たくあしらっていましたが、いなくなると寂しいもんで。

亡くなる前は一度も、会いたいだとか話したいだとか思ったことはないですけど

もう会えないとなった途端、辛い時、寂しい時、悲しい時に父の顔が見たいと思ってしまいます。

なんででしょう。

本当に辛い時は、父のいる場所に行きたいと思うことさえあります。


父と母どちらが好きかと聞かれれば母だと即答するような私でした。

でも、父は遅くして産まれた一人っ子の私をとにかく可愛がり

どんなに憎まれ口を叩かれようが、愛してくれていました。

亡くなる前にはわからなかったこと、気付かなかったことが

亡くなった後にわかり、気付き、とにかく辛く、苦しく、愛しく思いました。


どうしてもっと優しくできなかったんだろう。

もっとたくさん話さなかったんだろう。

親孝行してあげられなかったんだろう。

とにかく後悔し、ふとした時、毎晩、ひとり泣いていました。


父に親孝行できなかったことは、罪だとさえ思っています。

亡くなってからじゃ何をしようにも遅いんです。

天国のお父さんは見てるよ、なんて綺麗事。

生きてる人間にじゃなきゃ意味がない。


家族は無条件で愛してくれます。

だから、こっちも無条件で愛さなきゃいけない。

私は幼かったからそれができませんでした。


今日という日は二度と来ないし、明日、一週間先、一ヶ月後、一年後

どんな未来がやってくるかわからない。

自分の思い描いたような日を過ごせるなんて奇跡に近いと思います。


父が亡くなって、とにかく泣いて泣いて

でもその分強くなりました。

年頃の女の子はなかなか素直になれなかったり

私のように冷たくあしらったりする事もあると思うけど

たまには優しくしてあげてね。

この世でお父さんは、ひとりしかいないから。